10年の時を破りまさかのトレマーズ5が出ましたね!
はい、「トレマーズ」ってなんやねん?って方のために簡単に説明しますとジョーズが流行った時代に、便乗して同じような映画作っちゃえっていうブームが一時ありました。
その中で、ジョーズには劣るが割りとおもしろいぞってのがトレマーズでした。
ジョーズは海の話ですが、トレマーズは陸の話しです。
はっきり言って誰が見てもコテコテのB級映画です。
しかし、いい意味でB級であることが面白さにつながった珍しい映画です。
今回最新作の5をレビューするにあたって、ここで昔を振り返って1から連続でご紹介したいと思います。
トレマーズ(1989年)
記念すべき「トレマーズ」第一作目です。
公開 1989年
主演 ケビン・ベーコン(ヴァル)、フレッド・ウォード(アール)、マイケル・グロス(バート)
あらすじ
ネバダの砂漠地帯にある小さな田舎町パーフェクションでヴァルとアールの二人は、便利屋を営んでいました。
そんなある日、地中から謎の巨大生物が襲ってきて町の人々は恐怖に襲われます。
感想
今から27年前に公開されました。
ケビン・ベーコンはあまり主役の映画がないので、結構珍しいです。そしてとても若いです。
ヴァルとアール二人のコンビがとにかく良くて、ハラハラドキドキの中にもユーモアがあり気楽な気分で見ることが出来ます。
地中にいる生物は「グラボイズ」と名付けられます。音に反応して襲ってくるのでみんな音を立てないようにして身を潜めます。他にも岩の上や高いところは割と安全だったりして、グラボイズとの攻防が一方的ではなく、逃げ道が用意されているところが面白いです。
グラボイズは結構頭がいいので、人間との知恵比べ対決みたいなところも見所です。
地中にいるので普通に銃を打ち込んでもダメージがありません。
一体どうやって倒せばいいのか?
そして、ミリタリーオタクのような町の変わり者バートが結構いい味を出していて、グラボイズ相手に大量のライフルやマシンガンなどで闘うシーンは胸が熱くなります。
要はなにもなければただの変わり者が、非常事態になりその存在意義が認められてやっと報われた的な演出が結構好きなシーンです。
なんだかんだで、一匹づつグラボイズを倒していき最後は、ヴァルの機転で対決するんですがどうなるのか最後までドキドキです。
はっきり言って「トレマーズ」はこの第一作目がヒットしてシリーズ化しましたが、他のシリーズはどんどん大味になっていきます。2以降は主役が変わってしまい一作目が面白いのは主役であるヴァルとアール2人の存在が大きいのではないかと私は思います。
トレマーズ2(1995年)
公開 1995年
主演 フレッド・ウォード(アール)、マイケル・グロス(バート)、クリストファー・ガーティン(グラディー)
あらすじ
前作から7年後、メキシコの油田にグラボイズが出現した!
油田会社は過去にグラボイズを退治した経験のあるアールに退治を依頼。アールは新しい相棒のグラディと共に現地に赴き再びグラボイズとの闘いが始まる!
グラボイズの数があまりにも多いので、パーフェクションのバートを助っ人に呼ぶが、グラボイズは更に進化し陸上を移動する小型のシュリーカーが誕生してしまうのだった。
感想
最初は、アールが前回の経験を生かして余裕でグラボイズを退治していきます。
あまりにも簡単に倒してしまうので、前回の苦労はなんだったんだ!?と突っ込みたくなります。
どうやらこの2は映画ではなくテレビスペシャルのようなもので、製作されたものらしいです。
だから前作以上に低予算で制作されていると思われます。
そのせいなのか、グラボイズはあまり姿を見せずレーダーに映って近寄ってきて倒されるという感じで話しが進みます。
しかし、そのまま順調に進むはずもなく途中からグラボイズが進化しシュリーカーという種類に分裂します。
こいつは、地上を移動して熱いものを優先的に攻撃してきます。前回は音に気をつけていたわけですが、今回は熱を隠すために努力しています。
前回のヴァルの相棒のアールが主役になったんですが、やはりヴァルがいないとどうもしまらない感じでした。
助っ人としてバートを呼ぶんですが、ものすごい量の武器弾薬を持ってきて戦争をする気か!?と言いたくなりますが、これがバートなんです。
シュリーカーは食べ物を食べるとどんどん増殖していくんですが、その様子が少しグレムリンに似ているなって思いました。
グラボイズは銃を相当撃ち込まないと倒せないんですが、シュリーカーは割りとライフルとかで簡単に倒せます。なので、武器さえあればあまり脅威ではないのが残念なところです。
グラボイズのほうがはるかに脅威でした。
最後はアールにも春が来て、前作から続くヴァルとアールの物語は幕を閉じます。チャンチャンてな感じです。
トレマーズ3(2001年)
公開 2001年
主演 マイケル・グロス(バート)、ショーン・クリスチャン(ジャック)
あらすじ
第一作目のグラボイズが現れてからから11年後の話しです。パーフェクションではグラボイズの存在を観光利用し、やらせのツアーまで行っていましたが、本物のグラボイズが現れて客やスタッフを襲撃してしまいます。アルゼンチンでシュリーカー退治を終えてきたばかりのバートは、住民と協力して再びパーフェクションでグラボイズ狩りへと乗り出します。
感想
今回はパーフェクションでの話しとなります。
住民は一作目から続投している人もいて懐かしくなりました。
そして一作目で子供だったミンディやメルビンもすっかり大人になって、親戚の子供が成長して「ちょっと見ない間に大きくなったねぇ」というおじちゃんの気持ちを味わえます。
そして今回の主役はあのバートです!
遂に脚光を浴びる時が来たというわけです。
バートはモンスターハンターとなって日々グラボイズと闘っているのでした。
一体グラボイズはどこからやってくるのか!?その辺はあまり深く考えてはトレマーズは楽しめません。
そして、シュリーカーから進化したお尻から火を吹いて空を飛ぶ怪物、アスブラスターが登場します。
アスブラスターは体液が発火性の物質だそうで、それを燃やして空を滑空するというスタイルです。
こいつも熱を感じ取って攻撃してくるので、基本はシュリーカーと一緒です。
もっと他にアイデアはなかったんでしょうか・・・
例えば音、熱ときたら次は匂いとか二酸化炭素を識別して攻撃するとか・・・
まぁその辺は置いといて、今回バートはグラボイズに飲み込まれたりします。
普通に考えればお陀仏なんですが、そこは我らのバート!飲み込まれても無事生還します!
ここまでくるともはや、なんでもありです!最後はポテト銃を応用した武器で対決するんですが、ポテト銃って日本人にはあまりなじみがないんですよね。
アイアンマン3にも登場したんですが、一体どういった武器なんでしょうか?
ちなみにバートは2の時点で、奥さんと離婚してしまっていてグラボイズとの闘いが生きがいみたいになってまして、伝説のモンスターハンターとして名が知れているあたりがシリーズ通して見てると面白いところです。
この作品は、1からずっと見続けている変わり者だけが楽しめる内容となっています。ここから見始めるとなんのこっちゃで面白くないでしょう。
バートにも新しい恋人的なパートナーが現れても良かったと思いますが、きっとグラボイズが恋人なんでしょうね。
トレマーズ4(2004年)
公開 2004年
主演 マイケル・グロス(ガンマー)
あらすじ
第一作目の100年前の西部開拓時代の話しとなります。後にパーフェクションとなるネバダ州の町リジェクションは銀山の発展で賑わっていました。
しかし、坑内で多数の坑夫が殺される謎の事故が発生し、銀山は閉鎖、人々は去りリジェクションの町も荒廃してしまいます。
そこへ銀山の所有者であるハイラム・ガンマー(バートの祖先)が現れ、町に残ったわずかな坑夫を連れて鉱山の調査へと向かいます。
感想
今回は今までと違って1でグラボイズが現れた時代のずっと前の話しで、強力な武器などもない時代になります。
いわゆる初心に返るってやつですね。
最初のグラボイズが一番魅力的でしたので、原点回帰したんでしょう。決してネタ切れではないはずです(笑)
そして、舞台が西部開拓時代ってのも色々魅力的ですよね。
こんな昔からグラボイズはいたんだぁ。と想像が膨らみます。
全作通して出演しているバートはさすがに100年前なので登場しないんですが、バートの祖先にあたる人物ハイラム・ガンマーが主役で登場します。
この人が最初は本当にダメなやつなんですね。
子供をだましてパンを食べちゃうような畜生で、銃もまともに撃ったことがなく、馬にも乗れない・・・
こんなやつがバートの祖先だなんて・・・と誰もが思うはずです。
そして、肝心のグラボイズなんですが、最初の登場こそ結構ビックリするシーンがありましたが、ダラダラと襲ってきてもっと気合入れて襲わんかい!!と突っ込みたくなりました。
いいキャラクターも出てきたんですよ。黒手のケリーという賞金稼ぎで、実に粗野で頼もしいやつでした。ガンマーに男になれ!!と銃をもたせて一緒に闘います。
もっと活躍してほしかったです。
最後のほうではガンマーも覚醒してデカ銃で戦います!
これでこそバートの祖先だぜ!
回転式連射銃を撃って高笑いしている姿はバートそのものでした。
100年後に再びグラボイズが現れて子孫が闘うとは夢にも思わないでしょうねぇ。
ただ、バートって昔からここに住んでたわけではないはずなんですよね。
立地的に核シェルターなんかが有効だってんで移住してきたんじゃなかったかなぁ?
その辺の設定はよくわかりませんが、きっと自分の土地に帰ってきたって感じなんでしょうね。
トレマーズ5 ブラッドライン(2015年)
公開 2015年
主演 マイケル・グロス(バート)
あらすじ
バートはネバダ州の砂漠で自らのサバイバル術を紹介するビデオの撮影に明け暮れていました。そこへ南アフリカの野生動物省の役人という人物が現れ、ハウテン州のクレイドルストーン自然保護区で人的被害を出しているアスブラスターの退治を依頼します。
新しいカメラマンのトラヴィスとバートはアフリカまで行くことになります。
感想
前作から実に11年という月日を経てまさかの5が登場しました。
これだけで、前4作を見てきた者としては感慨深いものがあります。
なによりバートがまた主役で帰ってきてくれたことが嬉しく思います。
さすがに歳をとっていて今までほどの無理は出来ませんが、銃の腕は健在で最新の機器を駆使してグラボイズたちと戦います。
新しい相棒のトラヴィスってのがかなり軽いやつなんですが、今までになく運動神経がいいキャラクターで、オフロードバイクでグルングルントリックをかまします。
こいつなら、なにかやってくれそうだ感が期待を膨らませます。
今回のアスブラスターやグラボイズは、今までと結構形が違ってました。
大きくなって更に凶暴になったらしいんですが、なんかちょっと激しく動きすぎな気がしました。
土の中から空中に飛び出して獲物を捕らえてまた地中に潜っていくという今までにないアクションで攻めてきます。
正直、グラボイズは地中から静かに忍び寄っていきなり地中に引き込まれるってスタイルのが恐いと思います。
ちょっとはっちゃけたグラボイズはいいとして、アスブラスターが完全に別物でした。お尻から火を吹いて飛ぶというところ以外は、宇宙生物のような変貌を遂げていました。
なんか、昔好きだった子が10年ぶりに同窓会で会ったら整形していて、綺麗になってるけど、昔の素朴な君のままで良かったのに・・・というような複雑な気持ちにさせてくれます。
そしてアフリカの女性は弓矢で戦います。
最初弓矢で、なにが出来るんだよ(笑)って思ってたんですが、アスブラスター相手には弓矢は結構有力な武器だと思い知らされました。
よくよく考えたら、3ではポテト銃で闘ってたわけですし、弓矢のが武器としてはしっかりしてますよね。
まぁトラヴィスとバートの意外な関係も判明し、トレマーズファンならなかなか楽しめる内よだと思いますよ。
トレマーズは難しいことを考えず、日ごろのストレスで疲れた時などに、ビール片手に適当に見るぐらいのスタイルがベストかと思います。
決して真剣に見てはいけません。そして過度の期待も禁物です。
あくまでB級映画を楽しむというスタンスで見れば結構面白いはずです!
というわけで、トレマーズシリーズのレビューでしたが、まだ未見の方はまず1を見て下さい!
きっとハマると思いますよ!